株式会社は誰のもの?

ライブドアによる日本放送買収に始まり、
M&Aコンサルティングの村上さんの阪神電鉄楽天の三木谷さんのTBSの株式大量取得など、M&A経営統合を目指したニュースが巷を賑せてきた。

しかし、どのニュースにも共通しているのが、
株を取得される側の代表者側が抵抗するケースばかり。

なぜ、そこまで抵抗するのか?
M&Aコンサルティングのケースでは、大量取得の影響かどうかは定かではないが、
株価が上がり、阪神電鉄としては市場から資金を集めやすい状況になっている。

また楽天とTBSの提携のケースは、フィーリングベースではネットと放送で相性がよさそうでシナジー効果が期待できると思う。

例えば、ドラマの登場人物が見につけていたものをすぐにネットで購入できたり、
グルメ番組で放送していた食べ物をネットで購入したり、
ニュースでは時間枠上、詳しく伝えることのできない情報をネットで伝えたり等
放送では伝えることのできない情報を補うなどして、もっともっと伝える情報の付加価値を高めることができると思う。

その理由を考えてみると、現在代表権を持っている側がその企業の価値を高めることを一番の目的にしていない可能性を感じる
(あくまでも感覚ベース。
 本当は業務提携によるデメリットが大きいのかもしれない。)
株を取得されることにより、経営する権利を失ってしまう(または、主導権を取られてしまう)。
それを恐れているのではないかと感じる。
代表権(経営する権利)を失ってしまえば、ただの人になってしまう。
それを恐れているのではないのだろうか?

今までの日本の会社は、実績を上げた人に対して、その場で報酬を返すのではなく、ポストという形で長い時間をかけて成果に対して報いてきた。
ポジションに応じて求められているスキルが同じとは限らない。
一営業として優秀な人が営業を管理する仕事で価値を発揮するとは限らない。

こんな感じの言葉がある。
「サラリーマンは、出世して出世して、最終的に辿り着いたポジションは一番苦手なポジションになる」
だとすると、代表権を持って経営をしてる人が必ずしも経営のスペシャリストであるとは限らない。
その会社で経営を行っているうちは仕事があるのだが、ひとたび会社を辞めさせられてしまうと路頭に迷ってしまう恐れがある。
だから、必死になって代表権を守ろうとあの手この手を使うのではないのだろうか?
新株予約権だって、新株予約権を受け取る側にとってはメリットが大きいかもしれないが、
その他の株主にとっては何のメリットもない。

そこで考えたのは、成果をポジションで報いるのではなく、株で報いたらよいのではないのだろうか?
代表権を持っている人が自社の株を大量に持っていれば、株主価値を上げる施策は基本的に賛成だと思う。
自分が代表権を持つにふさわしくないと考えれば、あっさり他の人に代表権をゆずるということも可能だと考えられる。

今の状況は、経営陣と株主の両者の利害が対立してしまっているから起こりうる現象なのではないだろうか?
そんなことをふと考えていました。